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まだまだ多い防げる死=死因1位は循環器系疾患バイク事故での死者急増

ニッケイ新聞 2008年11月8日付け

 六日に保健省発表の二〇〇五年の死因調査で、循環器系疾患による死亡が三二・二%で第一位と七日伯字紙が報じた。
 心臓や血管に関係する病気である循環器系疾患には、脳血管障害(AVC)や心筋梗塞も含まれるが、AVCによる死亡は全体の一〇%、心筋梗塞は九・四%。原因として、遺伝、飲酒、喫煙、高コレステロール、高血圧、運動不足、肥満や糖尿病が挙げられ、胸の痛み、運動中や運動後の足の痛み、血圧の変化などが兆候だ。
 一方、死因第二位のガン(一六・七%)は、女性の六五%を占める一〇~四九才の妊娠可能期での死因の二三%を占め、二〇〇〇年の二〇・七%より増加。また、十月十八日エスタード紙に、高齢者の皮膚ガン増加の報道があったが、延命と共に、無防備に太陽光線を浴び続けたりした結果でもある。外出時間を考えるなどの工夫も必要だ。
 また、外的要因による死として統括される殺人や交通事故などの死者は、一四・五%で三位。
 殺人事件被害者は、二〇〇三年の一〇万人当り二八・六人が二〇〇六年は二五・四人に減り、三位降格に貢献したが、殺人発生率の高い中西部や北部、北東部では二位。
 交通事故死では、一九九〇年には三〇〇人だったバイクの事故による死者が、二〇〇六年には六九七〇人と急増。被害者の出た交通事故の大半はバイクが絡み、一五~三九歳の被害者が多い。
 殺人や暴力などの外的要因死では黒人系の青年男子が被害者となる傾向があるというが、パライバ州では黒人が殺される率は白人の九倍という驚くべき数字。白人と黒人の殺害率がほぼ同じというのは、パラナ州のみ。
 死因四位は呼吸器系疾患で一一・一%、五位は内分泌系や栄養に関する病気で六・一%。一九三〇年には一二%だった循環器系疾患が増え、当時四六%だった感染症が五%に減るなど、死因も社会の動きを反映するが、機械化されたストレス社会、農業や食生活の変化で従来とは違う病気の増加など、間接的な外的要因も様々だ。
 日本ほどではないだろうが、株価の変動が激しい時や月曜日に心筋梗塞多発など、肉体的健康は精神的な健康とも密接につながる。人口比では少数派の男性が死者に占める割合が高いのは、外的要因の死者が多いからだけではないようだ。