ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | G20金融会議=新金融秩序に第1歩=「監督の看視者」提案へ=具体策は15日のサミットで=「同じ船に乗っている」

G20金融会議=新金融秩序に第1歩=「監督の看視者」提案へ=具体策は15日のサミットで=「同じ船に乗っている」

ニッケイ新聞 2008年11月11日付け

 九日付けエスタード紙によれば、金融危機収束に向けてサンパウロ市で開催された主要二十カ国の財務相・中央銀行総裁会議(G20)で、ブラジルは議長国として、IMF(国際通貨基金)や世銀における新興国の発言力を増すように舵を切った。今回討議された内容は、来週十五日に米国ワシントンで行われる緊急首脳会議(金融サミット)の持ち込まれ、今後定められる新金融体制「ブレトン・ウッズ2」の基本方針になるといわれている。
 ギド・マンテガ財務相は「今回の金融危機の震源地は先進国であり、その悪影響は新興国にまで届いている。我々は同じ船に乗っている」と強調し、従来のG7だけでは対処しきれない状態になっており、より幅広い協調体制であたる必要があることを強調した。
 同紙によれば、来週のワシントン会議に向け、ブラジル政府は危機解決のために「監督者の監視者」を提案し、新しい金融秩序に新興国の発言力が増すような仕組みにするつもりだという。
 グローボG1サイトによれば、仏のラガルデ財務相はIMFが過去とってきたやり方を「帝国主義」と批判し、新興国側にたった論陣を張った。
 G20の共通認識となったのは、世界不況からの脱出には、各国の実情にあった独自の経済活性化策を打ち出し、財政黒字を生み出した国が世界不況の克服に手を貸すことという。
 「金融危機は、パンクしたタイヤを修繕する時間がない。新しいタイヤに取り換えよ。赤ちゃんを起こした者が、寝かしつけろ」とマンテガ議長が訴えた。会議の流れで伺えることは、短期の景気刺激策として公共工事を増やし、政府経費の増額と伺える。
 これは新興国にとって負担を増やし、不均衡財政を余儀なくされる。ルーラ大統領は、〇九年と一〇年、PT政権継続のため何が何でも経済成長率を四%以上に保ち、その上インフレを抑えろという。
 予備会議との位置付けだった今回は、具体的な解決策は打ち出されなかったが、ここでの議論をベースにした提案が十五日には行われる予定。新金融体制は、今後百日程度の間に決められることも申し合わされたという。