ニッケイ新聞 2008年11月11日付け
フォーミュラ・ワン(F1)の二〇〇八年最終戦となるブラジルグランプリが二日、サンパウロ市のインテルラゴスサーキット場で行われた。初の黒人ドライバーとして注目を集めていた首位のルイス・ハミルトン(英国、マクラーレン・メルセデス)が、ブラジル出身で二位につけていたフェリペ・マッサ(フェラーリ)の追撃を一ポイント差でかわし、二十三歳三百日で最年少優勝を飾った。
世界中のF1ファンが心待ちにしていた最終戦は、スタートの午後三時直前に大雨が振り出し、十分遅れでスタート。その直後、今回を引退レースと表明しているデビッド・クルサード(レッドブル・レーシング)が第一コーナーでクラッシュしリタイアとなった。
その後レースは順調に進んだが、残り十周を切ったところから雲がレース場に広がり、残り五周ほどになると雨模様に。
ポールポジションからスタートしたマッサはトップを維持したまま一位でチェッカーフラッグを受けた。この時点でハミルトンを抜いて年間優勝を決めたかに思えたが、ハミルトンが最終コーナーでトヨタのティモをかわし、五位に入賞。一ポイント差で年間優勝を獲得した。
残り五周ほどになると、トヨタの席で観戦していた多くのブラジル人ファンからはハミルトンの車が通るたびに大きなブーイング、マッサが通るたびに大声援。
マッサが一位でゴールした瞬間は隣同士で喜びを爆発させていたが、目の前でティモがハミルトンに抜かれると悲鳴にも似た奇声が上がり、客席は落胆の空気に。しかしレース後は両者の健闘を称え大きな拍手を送っていた。
なお、トヨタチームはティモ・グロックが六位に、ヤルノ・トゥルーリが八位にそれぞれ入賞を果たした。