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全国銀行協会会長談=「大銀行は留保してない」=貸し渋りの理由を説明=ドルから乗り換え需要も=長期融資の資金も不足

ニッケイ新聞 2008年11月12日付け

 全国銀行協会連盟(Febraban)のファビオ・バルボーザ会長は十日、「中央銀行による一千億レアルの資金投入に関わらず、市場の流通量が少なく企業のドル需要に応じられない」と述べたことを十一日付けフォーリャ紙が報じた。そのため産業活動は停滞し、経済成長の低下が当分続き、需要は抑えられている。大手銀行は預託金割引の留保も国債購入もしていないと述べ、報道を否定した。
 バルボーザ全国銀行協会連盟会長兼サンタンデル銀行頭取は、「ブラジルは、大型プロジェクトに融資ができる大規模なメガバンクが必要だ。大手銀行が国債で金を儲け、何もしないと思うのは愚かだ」と一笑にふし、次のように述べた。
 バルボーザ会長は「ドルからレアルに乗り換える新しい需要に応えるのに、十分なレアルが市場に出回っていない。あるけれども、性質が限定されたレアルしかない」と理由の一つを説明する。
 その限定とは、企業が求めている長期融資資金のことだ。金融危機で市場に不信感を強めた投資家が、短期で引き上げるタイプの資金しか投入しないため、例え資金が合っても企業の需要に合致しない現象が起きていると、同会長はいう。
 政府が奨励する中小銀行所有の債権購入は、すでに六十億レアルに達した。しかし、債権の購入は正しい手続きが行われ、金融システムで通用するものかを調べるので一朝一夕に行かない。
 債権の吟味は、銀行によって独自の調査技術や書類整理の規格がある。リスクの分析、責任の所在確認などのプロセスを経て購入是非の判断が下される。それから資金の投与となる。
 クレジットは復活する。金融危機の発生後は、判断基準が厳しくなった。だから以前と同じように、流通が復活することはない。流通量過多が金融危機の原因になったことも、関係者が反省している。
 バルボーザ会長は大銀行が資金を保留しているとの疑惑に対し、「銀行の悪意でやっているだけなら、解決は簡単だ。実際に起きている問題ははるかに複雑だ」と抗弁した。