ニッケイ新聞 2008年11月12日付け
クレジット不足のしわ寄せが不動産や自動車、観光、電子製品、建材など販売業界全般に押し寄せ、投げ売り競争が始まっていると十一日付けエスタード紙が報じた。支払期限の延長やドルの旧換算で、企業は辛うじて経営を保っている。
販売業界は、売上不振とクレジット不足の板挟みになっている。消費者は失職を恐れて消費が落ち込み、投げ売りが購買意欲の刺激にならない。
最近の異常は、以前にはなかった不動産の投げ売り。当初は期間限定の特売品であった。それが今は、常時特売だ。
次に始めたのが、建設中の高級マンション特売。販売価格マイナス一五%の特価。現金払いなら、二〇%またはそれ以上の割引。さらに納期短縮のサービスが付く。
マンション販売会社は、建設会社と工事続行のための運転資金調達契約を結ぶ。工程表に合わせてマンションが売れなければ、自腹を切る。
自動車販売業者は、銀行で運転資金調達のために時間を無駄にするよりは、自動車の投げ売りが賢いと思っている。十一月の売上は、前月比で二〇%も落ちている。
自動車メーカーは、フェイロン(特価市)を行う。GMのプリスマに三千百レアル、Fiatのシエナに二千七百レアルの割引がある。十月以降販売が落ち、生産量以上に在庫がある状況を打破するため、在庫一掃に向けた苦肉の策だ。
観光業界の大手CVCは、原油価格の下落を理由にクルゼイロスのキャビン二万室の特価サービスを行っている。一ドルを一・九九レアルで換算。サントスとブージオ四泊五日の船旅では、一千五百八十一レアルが、一千四百三十六レアルで十回払いの無利子。これまでの船賃は原油百ドル/バレルをベースに計算したので、最近のコモディティ下落を機に六十ドルでサービスを提供するといっている。