ニッケイ新聞 2008年11月12日付け
南リオ・グランデ州の州道で十日未明、タペスから棺を運んでいた葬儀屋の車に、別の車が追突し、荷台にあった棺が前方に滑って同乗していた未亡人(67)を直撃するという珍しい事故。連れ合いを亡くして悲しみの中だった未亡人は即死した。
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一方、サンパウロ市には「葬送の旅」とでもいうべき一風変わったバス・ツアーがある。案内役のガイドが、頭にナイフが刺さって血を流しているといういでたちで乗り込んで来るところから始まり、一九七四年に起きた火事で二二七人が死亡したというジョエルマビルやコンソラソンの墓地などを訪問。バスの中にはクモやコウモリが飾られ、出されるお菓子も黒いセロファンで包まれている。いつかはやってくる死と対面し、今を楽しみ、精一杯生きようという主旨だというが…。
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サンパウロ総合大学の受験生の志望分野は、広告やジャーナリズム、国際関係学などが人気で、教員養成に関係する教育学や文学などは不評だという。学校教育の現場での教師の重要性が再認識されている一方、給与の低さが不評の原因とも。
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サンパウロ市のタクシー運転手達が、十二月は休日や深夜用の料金メーターを使わせろと市役所に談判。ボーナス分増収を望んでの要望で、結論はまだ出ていないが、バンデイラ2と呼ばれる料金適用で利用者が減ったら減収の可能性もある。一方、クリスマス用品の販売拡大を期待していた25デ・マルソでは、十月の販売増はわずかで、消費者の財布の紐の固さを実感。例年の半分以下の買物で帰ったという消費者もおり、寂しい懐でいかに温かいクリスマスを演出するか、手腕が問われる季節が間もなく到来する。d