ニッケイ新聞 2008年11月13日付け
バラク・オバマ米次期大統領は十一日、伯米関係の親密化とバイオ燃料の協力確立を約す電話をしたと十二日付けエスタード紙が報じた。
エタノールについては、同大統領が特に配慮するとのみ述べ、市場開放には触れなかった。エタノールは、伯米間に保留された問題の一つのようだ。ブラジルの経済政策と社会政策、フォーラムでの外交手腕を同大統領は称賛した。
ルーラ大統領はよい機会とばかりに、伯米間の急所を突いた。オバマ次期米大統領が選挙運動中、沈黙を守り触れなかった、ドーハ・ラウンドと国連安保理の改革だ。週末の金融サミット後に決断がされるこれらの議題について、ブラジルの立場を説明した。
ルーラ大統領が同大統領の電話を受けたのは、駐ローマブラジル大使館であった。伯大統領は米大統領をブラジルへ招待したが、伯大統領の訪米招待はなかった。
「オバマ大統領は、まだブラジルを訪問したことがないのに、ブラジル人よりブラジルを熟知している」とアモリン外相は感心した様子。「次期大統領は酒を飲まない人の語り口で、確信と前向きな姿勢がことばから伺えた」と評した。
同大統領は、G20経済フォーラムにおける、ブラジルの役割に関心を示した。金融問題について協議を行う重要な会議であるが、同大統領は出席しないで側近が傍聴すると伝えた。同大統領がG20へ行くと目立ち、何らかの影響を与えると思われがちだという。
同大統領は、ブラジルのウンジェル長期計画相がハーバード大学で教鞭を採ったときの学生だったと述べた。ルーラ大統領は、この師弟関係が伯米間に親密な関係を築き、エタノールの市場開放もスンナリ行くのではないかと褒めちぎった。