ニッケイ新聞 2008年11月14日付け
島根県出身の移住者、中谷秀子さん(62)が十二日午後九時前、聖東パルケ・クルゼイロ・ド・スール区の自宅台所で遺体で発見された。
普段通っているサンミゲル文協民謡部の集まりや、老人部の三十五周年のための練習などに来なかったことを心配した知人が甥に連絡、電話にも応答しなかったことから自宅を訪ねた甥が遺体を発見した。
中谷さんの旧姓は斉藤。知人によれば、子供のころに家族と渡伯、二十年ほど前までサンミゲル・パウリスタの市場で野菜販売などを行なっていた。その後日本で生活していたが、四年ほど前にブラジルへ戻り、事件のあった姉の家を管理しながら一人で暮らしていた。市場の手伝いなどもしていたという。
エスタード紙のサイトなどによれば、玄関の戸は開いていた。現場検証をした軍警によれば、中谷さんは体を電話線とビニールテープで巻かれており、頭に殴られたような跡があったという。殺人犯罪・人身保護担当課(DHPP)が捜査にあたる見込みだ。
十三日午後にカルモ墓地で告別式が行なわれ、同墓地に埋葬された。