ニッケイ新聞 2008年11月18日付け
金融危機による輸出クレジットの枯渇と農産物コモディティの下落、生産原価の高騰により、二〇〇九年度貿易収支が百五十億ドルも減る見込みとスパルタ投資ファンドが発表、と十六日付けフォーリャ紙が報じた。
百五十億ドルは昨年度比二〇%減に当たり、大きな比重を占めていた農産物輸出の落ち込みが、メタル部門や航空部門の輸出減少と重なり、貿易黒字はほとんどゼロとなる見込みだという。
農産物輸出の落ち込みは、量ではなく価格による要因が大きい。大豆の場合、今年七月ブッシェル当たり十六ドル六〇セントであったものが、来年五月渡しで僅か九ドルにしかならない。
二〇〇八年の貿易収支は、二百三十八億ドル。二〇〇七年の四百億ドルから見ると、大きく落ち込んだ。二〇〇九年は、ドル高のために多少回復すると思われる。
コモディティ市場は需給法則によらず、不安定な金融市場の犠牲となっている。金融正常化へ向け期待が持てるのは、二〇一〇年とする関係者の予想だ。