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愛媛県人会55周年祝う=サンパウロ市=県人移民百年の節目に=笠戸丸移民の子孫も出席=母県から34人の慶祝団

ニッケイ新聞 2008年11月19日付け

 在伯愛媛県人会(藤原利貞会長)は十六日午前、サンパウロ市ビラ・マリアーナ区の北海道協会会館で同会創立五十五周年、日本移民百周年の記念式典を開いた。会員や他県人会関係者、母県から駆けつけた三十四人の慶祝訪問団ふくめ、約四百人が参加。式では、同会が編纂を進めてきた記念誌「海の向こうの郷土史書・ブラジル愛媛県人百年の歩み」の発刊を祝ったほか、県人出身の笠戸丸移民四人を表彰。この日、母県と県人会の更なる交流発展を誓い合った。
 式は、井上茂則第一副会長の開会の言葉で始まり、日伯両国歌を斉唱。西村定栄祭典執行委員長(元県人会会長)のあいさつ後、藤原会長が舞台に立った。県費留学生・研修生を受け入れる母県や、記念誌編纂であった多方面での協力に感謝の意を示すとともに、「今後とも母県との交流を推し進めていきたい」と述べた。
 高浜壮一郎副知事は「私も皆さんも〃愛媛産〃。今回私たちが強い郷土愛で結びついていることを実感した。この結束を今後も強めたい」と力強くあいさつ。ブラジル移住した叔父の子どもや孫を親類に持つ中村時広・松山市市長は、笠戸丸移民の心情を推しはかるとともに松山市の土地柄を紹介。「県人会の発展を期待したい」と激励した。
 薬師寺信義・県議会副議長、愛媛県海外協会理事の村上空山さん(慶祝団副団長)、父親が愛媛県出身の羽藤ジョージサンパウロ市議のあいさつに続いて、丸橋次郎在聖首席領事が同県の良さを紹介した。
 藤瀬圭子さんが祝電を読み上げた後、六家族二十一人の県人の笠戸丸移民のうち、現在までに消息がわかった四人(故人)の表彰が行われ、高浜副知事が四人の子孫に賞状を手渡した。
 祖父・池田栄太郎さんが笠戸丸移民の池田マリオさん(元サンパウロ連邦警察署長)は、来伯した本家の親類と〃再会〃。「百年たってブラジルで初めて本家の家族と会えて感激」と笑顔を浮かべた。親類を連れてパラナ州アサイ市の池田家を案内したいと語った。
 西村元県人会会長が功労者表彰を受け、高齢者表彰、記念品の贈呈などがあった。県費留学生・研修生を代表してクラウジア・リエ・ナガヤマさんがスピーチし、その後ケーキカット。薬師寺副議長の万歳三唱に続いて、益田照夫副会長が閉会の言葉を述べた。
 午後は記念アトラクションが行われ、終始にぎやかだった。