ニッケイ新聞 2008年11月19日付け
創立五十五周年を迎えた在伯愛媛県人会(藤原利貞会長)はこのほど、「海の向こうの郷土史書・ブラジル愛媛県人百年の歩み」と題した記念誌を発刊した。
今年の移民百周年が県人移住百周年でもあることから、記念事業として計画した。日本語・ポルトガル語翻訳ページ含め全二百九十五ページ。ボリュームのある内容に仕上がっている。
内容は、グラビア写真に続いて、移民史の概略と総論を第一章で紹介。第二章で、愛媛県人第一回笠戸丸移民二十一人の渡伯者のうち、行方が判明した池田栄太郎、東野音市、橋本重左衛門、中村タカノさん四人の生涯と、その子孫などについて触れている。
第三章「先人の偉業」では、日伯新聞社主の三浦鑿や一九一五年にサンパウロで南米初の邦字新聞週刊「南米」を発行した星名謙一郎、サクラ中矢食品会社の基礎を築いた中矢一族(秀一・末吉兄弟)など、十人ほどを紹介。
第四章「自らつづる移民人生」では、県人出身者三十一人の寄稿文を掲載、第五章「今を生きる県人移民」では、三十二人の在伯県人の人生を載せている。
第六章は「ブラジル愛媛県人会史、年譜と写真で見る半世紀の歩み―北原徳美まとめ―」。これらの内容を翻訳したポルトガル語版は、背表紙から順次掲載されている。
詳細は同県人会(電話11・3207・9575)まで。