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瀬戸クラウジオ氏

ニッケイ新聞 2008年11月19日付け

 ブラジルにおける漫画の元祖、瀬戸クラウジオさん(64、二世)=パラナ州クリチーバ市在住=が十五日、脳溢血により亡くなった。以前から糖尿病と高血圧気味だったという。地元紙によれば十七日午前、同市のパロキアル・ノーバ・オルレアンス墓地で葬儀が行われ、親族、ファン、友人らが多数参加した。
 生まれはサンパウロ州ノロエステ沿線ガイサーラ市。親に連れられ九歳で訪日し、仏寺で修行。十七歳で帰伯するまで俳句、短歌、書道、華道、盆栽などに親しんだ。六八年に漫画を描き始め、翌六九年にサンパウロ州ガイサーラ市で市議に当選し、市議会議長まで務めた。
 従来の子供向けから成人漫画も手がける。創作を辞めた八五年頃までの間に実に五千ページを超える漫画を描いた。現在全盛の漫画アニメなど日本ブームの基礎を作った立役者だった。
 〇四年にはパラナ州の日系移民史を書いた約五百頁のポ語著作『Ayumi-Caminhos da Imigracao』を発表。漫画から日本の伝統文化紹介まで幅広い著作を残した。