ニッケイ新聞 2008年11月26日付け
金融危機と各国の景気後退が連日マスコミをにぎわしている中、浜松、長野、大泉など日本各地の日系ブラジル人集住地から、次々と在住者の解雇、生活への不安が報じられている。
朝日新聞が報じた滋賀の状況では、クリスマスにあわせたデカセギの一時帰国も片道チケットが多いという。日本での見通しが立たないためだ。
折しも百周年の今年、天皇皇后両陛下が大泉町を訪問されて以来、各地の自治体が教育、生活などの面で多文化共生の方向性を打ち出す中、顕在化した今回の経済危機。
かつて親の転職、日伯往来の影響により日本で十分な教育を受けられなかったデカセギ子弟がいたように、失業、帰伯など親の不安定な状況のしわ寄せは、ともに暮らす子供達へと来る。
定住化が進む現在、その影響はもっと大きいだろう。同じことが繰り返されるのだろうか。(ま)