ニッケイ新聞 2008年11月28日付け
パウリニョ下議は、交付金の横領組織が機能するための鍵的存在と見られている。犯罪調書からは同下議の関与は立件されないが、同下議が関係するNGO(非政府団体)「青少年保護運動」が組織から資金を供給されていたことで、関与は疑いのない事実とされている。
組織への資金の出所や小切手の流れ、資金の行き先を調査の結果、資金の調達に同下議が関与したことは明白とされる。当の下議は告発事実を否定し、マスコミの取材を避けている。
犯罪調書にはPT(労働者党)党員が、交付金横領に関与した証拠を掴んでいるのに関わらず、倫理委員会の与党議員は同下議の関与否定と放免で根回しをしている。
上程者は組織が、同下議を政治的有利に導いたことは明白な事実としている。恰も同下議がNGOを通じて、青少年保護運動に貢献しているかのように宣伝し、費用を不正取得していた。
同下議は青少年保護運動の中心人物であり、資金調達でも目立った存在であった。同下議は政界でも、社会運動の指導者として派手に振舞った。社会運動グループを策謀し、庶民運動の味方かのように吹聴した。
ピアウ上程者は、連警のサンタテレーザ作戦調書を吟味し、重要書類を分別。最高裁が門外不出とした刑事調書も、同上程者は受け取った。同上程者は、同下議が立場を利用し、BNDESに交付金の放出圧力を掛けたという。これは議員権の乱用だと訴えた。
現時点では野党の倫理委員のみが、上程案を支持。連立与党は旗色を鮮明にしない。倫理委員会は、宗教裁判ではないと主張する。労組指導者でありPT政権誕生を陰で支えたパウリニョ下議を、断頭台の露にしたくないと、与党は妙案を模索中のようだ。