ブラジル国内ニュース(アーカイブ)
SC州被災地=陸軍が野戦病院設営=汚水感染病に医師35人待機
ニッケイ新聞 2008年12月2日付け
サンタカタリナ州民十万人がレプトスピラ菌(ネズミなどの尿で伝染する病原菌)で汚染された汚水に浸かり感染の疑いがあるため陸軍は空軍の協力を得て十一月三十日、ナヴェガンテス国際空港に野戦病院を設営と十二月一日付けエスタード紙が報じた。
野戦病院には内科や整形外科、小児科、婦人科、歯科など医師三十五人とボランティア多数が待機し、患者五百人の収容能力がある。
レプトスピラ症に感染すると、背筋に寒気がはしり、頭痛や発熱、吐き気、下痢、筋肉痛などの症状を示す。その他汚水で感染する病気には、肝炎やコレラ、吸血住虫などもある。
同空港は二十三日からこれまでに、四百五十九回の被災者救出作戦を敢行し、千二十六人を救出した。南米ではフォークランド紛争に次ぐ、空軍作戦とされる。
現地は雨が降り続き、何時どこで土砂崩れが起きるか分からないため、遭難者救出ヘリの離着陸に困難を極めている。特に危険視されているのは、イタジャイ川の二つの渓谷に挟まれた山岳地帯とされる。
一方、一日付けフォーリャ紙によると、ブラジル南部を襲った豪雨禍は三十日、サンタカタリナ州とリオデジャネイロ州リオ・ボニート地方、エスピリット・サント州イコーニャなど十都市、サンパウロ州パライーバ盆地にも被害をもたらし、八万五千人が床上浸水や家屋損壊に見舞われ、避難所生活中だ。
犠牲者は、これまでに百十六人(SC州百十四人、リオ州二人)。八十九都市が非常事態宣言または警報を公布。気象観測所は、これら地域に降雨継続の予報。最も被害が大きかったのはSC州イリョッタなどのイタジャイ渓谷地帯。川水は引き始めたが、土砂崩れはなおも頻発している。