ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

SC州=被災者の心に残る重い傷=救援物資や義捐金は続々と=国の経済にも影響出始める

ニッケイ新聞 2008年12月3日付け

 【既報関連】数日晴れとの予報下、サンタカタリーナ州(SC)被災地では、安全な地域への住民移動や被災者の心身へのケアが急務で、ボランティア募集も継続中だ。
 一日、二日伯字紙によれば、骨折患者診察と飲用水配達のためにルイス・アウヴェス市にいた空軍レスキュー隊は、四一家族を急遽避難させるなど、新たな土砂災害や家屋崩壊の危険回避のための住民移動は被災地全域で起きている。避難を拒否して土砂に埋った例や、救助隊が強制移動させた例もある。救助隊員も二次災害で負傷の報告など、状況は深刻だ。
 感染症の報告も出始めた被災地住民の大半は、トラウマ状態の上、避難生活でのストレスも重なり、カウンセラーが精神安定剤的存在だという。
 一方、一日アゴーラ紙によれば、十一月三十日のフロリアノポリスでのゴーカート・レースは、ドイツ人のミハエル・シューマッハやブラジルのフェリッペ・マッサらF1レーサーによるもの。収益金やユニフォーム競売などで一五万レアル以上が集められた。同日のサンパウロ市でのチャリティー・ショー他、ポルト・アレグレの刑務所で一日断食して食料送付など、救援活動は拡大中で、銀行振込みは一日現在七八六万レアル余り。
 また、ドイツの義捐金二〇万ユーロ(十一月二十九日エスタード紙)、国際赤十字やエクアドルの人道支援など、国際的な支援も広がっている。
 他方、イタジャイ港の機能停止による貿易損失は既に三億七千万レアル。貿易収支黒字の年間目標達成は困難になり、輸入品価格上昇の懸念も出始めた。一~二カ月後に再開予定のイタジャイ港の機能は当面五〇%止まりで、完全修復には一年かかるという。
 なお、SCでは一日現在、死者一一六人、行方不明者三一人、避難生活者七万八七〇七人。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button