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羽目を外した医学部学生=大学病院内で花火や騒動=14人は卒業停止処分に

ニッケイ新聞 2008年12月11日付け

 パラナ州ロンドリーナ市にある州立大学(UEL)が、大学病院内で騒動を起こした医学部修了生に卒業停止処分決定と十日付伯字紙が報じた。
 事件が起きたのは十一月二十日。最終学期終了を大学病院前のバールで祝った医学部修了生が、大学病院救急病棟で大騒ぎというもので、調査委員会により参加が確認された一四人に対し、卒業停止処分がとられた。
 実際の参加者は他にもいたようだが、カメラの映像などから判明したのは一四人。病院の廊下で奇声を上げる、シャンパンのビンを割る、院内で花火を爆発など、常軌を逸した学生らに、怒りを表明した患者もいた他、点滴中の患者の寝台を飛び越えるなど、危険な行為も見られたという。
 UELではこれまでにも問題は度々起きていたというが、今回の行動は厳罰に値すると判断。医学部修了生が病棟内で騒動を起こしたということで、十二日の卒業式前には、修了生を対象に、医者の倫理についての講義も行なうという。
 エスタード紙によれば、教育省の元メンバーでサンパウロ州医科大学内科のロペス教授は、「患者を死に至らせる可能性もある犯罪行為」とした上、今回の事件がレベルの高いはずの公立校内で起きたことは、医学部教育の衰退の現れとも警告。
 一方、フォーリャ紙によれば、サンパウロ州地方医師協議会コーディネーターでサンパウロ州医科大学のルーナ・フィーリョ客員教授は、医師候補者の人間性への懸念を表明し、「医者の良否は、医療技術ではなく、患者との関係を築けるか否かの差」と明言。
 医学部の教育カリキュラム改革の必要性や大規模クラスの問題など、教育現場の問題点も挙げつつ、個々の医師の倫理面での準備を強調する同氏が、正しいと評したUELの判断。卒業取消も含めた最終処分は九〇日以内に決定される予定だ。

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