ニッケイ新聞 2008年12月11日付け
連邦警察は九日、エスピリット・サント州地方裁判所のフレデリッコ・G・ピメンテル裁判長ほか控訴院判事など七人が判決に便宜を図った容疑で拘束されたと十日付けエスタード紙が報じた。
同州裁判所を根城とする犯罪組織の捜査「タイタニック作戦」は四月、ロンドニア州知事の子息イヴォ・カソール容疑者が輸入車の違法取引に関ったことから始まった。
同裁判所が、カソール容疑者の犯罪関与判決に便宜を図った。同州控訴院判事の自宅にあった不審な紙幣五十万レアルから、犯罪組織の関係者が数珠繋ぎに拘束された。
検察庁の捜査によれば、同州には判事や弁護士、公務員などが関与する判決取引や職権を利用した数々の犯罪を仲介する組織が存在し、公務員試験でも採用されるように便宜も図った。
エスピリット・サント州が公務員の汚職スキャンダルの舞台であったことは、十年前から噂があった。連警の捜査は同州三権の長に及び、泥沼のエスピリット・サントが浮き彫りになった。
検察庁への告発によれば〇一年、通行料の徴収や道路保全への融資が免税の交換条件にされた。この告発によって知事の妻や州検察局長官など五人が免職された。
州議会では〇三年、グラッツ元議長が州議に賄賂を配布したり、州立銀行の公金横領などで拘束された。しかし、この二件は人身保護令が適用され、全員釈放された。
元議長は〇六年、犯罪組織の主犯容疑で起訴されたが、再度保護令の適用で釈放された。連警は〇八年四月、タイタニック作戦を本格的に展開し、犯罪組織関与者の大量逮捕を決行した。
その中にロンドニア州知事の子息がいた。国税庁の税関吏二人を共犯として外車の密輸を行い拘束されていた。同子息の釈放に、ピメンテル裁判長が関わったようだ。