ニッケイ新聞 2008年12月17日付け
五十周年を迎えたスザノのアセアス日系。現在の第十六代会長の森和弘さん(78、二世)は、実は第三代会長でもあった。五八年からの初代・高畠清会長、六二年からの第二代・宮平修革ペドロ会長に次いで、一九六七年から二期務めた。以来、なんと四十年ぶりに〇七年から現職に復帰して健在ぶりを発揮している。四十年ぶりに会長に返り咲き、なおかつ熱気あふれる演説をぶつことで定評のある人は珍しい。コロニア版ギネスブックがあれば登録されること間違いなし?!
◎
「事故を理由に、派遣を打ち切られるのが怖かった」―。福井県でデカセギをする派遣会社員のナガタ・ロベルト・アキラ容疑者の起こしたひき逃げを庇って、無職ワタナベ・エメルソン・ロドリゲス容疑者が身代わりに出頭。二人とも逮捕された。失職を恐れたナガタ容疑者は「無職だから誰にも迷惑がかからない」との友の言葉に甘えてしまったのだろうか。再就職が難しい不況のなか、切ないニュースだ。
◎
天皇陛下からのご下賜金を受けた文協の移民史料館。その金額はコロニアの関心の的。十三日にあった評議員会でも発表はなかったが、質問が飛んだ。今年六月に来伯された皇太子殿下から手渡された上原会長、「それはちょっと…上の方から(発表しないように)言われてますので」と言葉を濁した。「人に上や下があるんですか」と質され、「天は人の上にー」で有名な福沢諭吉の言葉をよく引く上原会長、苦笑い。