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東西南北

ニッケイ新聞 2008年12月18日付け

 十七日本紙既報の水害被災者向け救援物資の抜き取り事件後、サンタカタリーナ州(SC)では被災者への衣類の供給を中断。同様の事件は他州でも起きたが、現地ボランティアは、「一部の人の非道な行いで、善意の奉仕者まで疑いの目で見ないで欲しい」と抗弁。救援物資を持ち帰った人が品物を返還し謝罪とのテレビ報道もあった。
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 一方、SC州ガスパル市で、家族四人と住居などを失った五歳女児が、親族宛てに贈られた衣類で遊んでいて、上着の袖から二万レアルの現金を発見。一族を率いる祖父のシウヴァ氏は、「自分の手に渡されたものなら受取ったかも知れないが、このままでは受取れない」と、所有者を探すという奇特な話。親族の一人の恋人の家族が集めた衣類であったことから所有者が判明し、正直さに感じ入った所有者はお礼として一〇〇〇レアルをプレゼント。他の家族の所に行くはずだった上着は、シウヴァ一家の忘れ難い記念品になった。
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 南部、南東部を襲った十五日からの雨は、十二時間で一カ月分降った地域もあり、ミナス州で死者が出た他、サンタカタリーナ州、リオ州やエスピリトサント州でも洪水、土砂崩れの報告。
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 サンパウロ市のモルンビー地区などで、郵便配達人を装った男性が強盗に早変わりという事件が繰返されていたが、十六日に、一味のリーダーとみなされている男性らが逮捕された。パラナ州の宝石店を襲った後、サンパウロ市に戻ってくる途中のバスの中で逮捕されたもので、宝石が詰まったリュックも押収されたという。プライア・グランデでも一味が捕まった他、サンパウロ市東部の盗品や武器の保管所も摘発。残りの一味の捜索が続いている。