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金融危機=銀行に945億Rを投入=FGC制度変更で資金捻出

ニッケイ新聞 2008年12月19日付け

 国家通貨審議会(CMN)は十七日、〇九年には、流通量不足の金融市場に九百四十五億レアルの公的資金を投入する意向を表明と十八日付けフォーリャ紙が報じた。
 これは銀行の融資保障基金(FGC)制度を変更することで、中小銀行保有の債権購入を促進するために投じられる。
 他にCMNが、銀行の資産に対する融資上限の規制を緩和した。連邦貯蓄銀行に対し、外国為替取引や輸出融資を認可。旅行社の為替業務を検討。ブラジル製品の輸入業者に対するレアル建て取引の奨励。金融機関の関連企業はリスク情報に合流し、銀行は消費者保護条例を順守するなどを決めたと発表した。
 新車や中古車ローンを扱う中小銀行の金融支援が、政府の主目的のようだ。FGCは銀行資産の二〇%までが融資上限であったのを、CMNは五〇%に引き上げた。
 同措置で中小銀行の債権は、二十五億レアル購入された。制度変更でさらに六十五億レアルが購入される見込み。公的資金が割引預託金のように銀行で保留されないように、政府はFGCを活用させることにした。
 銀行破綻による顧客の預金保障のためFGCは、銀行救済の役目もある。CMNは十七日、預金からFGCを差し引いた時点で資金の先行運用ができるように制度を変更した。
 新車のIPI(工業税)減額で中古車の売れ行きが止まり、自動車市場に混乱を引き起こした問題の解決にもFGCが役立つことになった。消費者は新車購入に、中古車の下取りが必要だからだ。中古車の相場下落は新車の税減額幅を上回ったため、政府の販売促進対策が無意味となった。