ニッケイ新聞 2008年12月20日付け
ブラジル地理統計院(IBGE)は十八日、二〇〇三年のブラジルには世銀規格による貧乏人が六千百四十万人いて、全人口の三六・五%も占めていたとする「貧困白書」を発表と十九日付けエスタード紙が報じた。
統計は、二〇〇〇年の国勢調査と二〇〇三年の家計調査の結果を、二十地域において掛け合わせたもの。
所得と消費の調査では、全国五千五百七郡の三二・六%は、市民の半分以上が貧乏人だという。そのうち七六・八%は、北東部に。北東部では市民の半分以上が貧しい市が大部分で、南東部は一部という特徴が判明した。
貧乏人が最多のトカンチンス州三郡では、全市民の八二%が貧乏人だが、サントスでは貧乏人が四・五%のみで最少。最富裕都市とされるサンパウロ市は、市民の二八・一%が貧しい。サンパウロ州の最貧都市ピラポラ・デ・ボンジュズスは六七・八%。リオは二三・八%である。
地域別貧困都市は、中部のシモランジア(GO)の八一・五%。北東部はアラソイアバ(PE)の八一%。南部はパラナポエマ(PR)の五五・七%。南東部はジャペリ(RJ)の七六・四%。
四十一万八千人の市民が住むサントス市は、最も貧乏人が少ない都市とされる。社会学者のコエーリョ氏は、無学と貧困が同居するという。教育に投資をすることが、所得向上につながるという考え方だ。もう一つはサントスの地形が、貧困層向きでなかった。この地域の貧困層は、近隣都市へ向った。
サントスと対照的なのが、トカンチンス州のパノラマ的三都市だ。同三都市周辺は、滝あり砂丘ありの未開地。観光資源に恵まれながら開発の手が入らず、住民千八百人はささやかな農業を営み、豊かさとは程遠い。