ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 消費市場=ブームの終焉来る=〇九年は生活スタイル変更

消費市場=ブームの終焉来る=〇九年は生活スタイル変更

ニッケイ新聞 2008年12月23日付け

 これまでは国民所得が向上し、国内市場も育ち、政治にも変化が見え始めたが、〇九年はこの勢いが減速し、低所得層の中流化現象が止まると数々の調査機関が報告と二十二日付けエスタード紙が報じた。
 〇七年だけで下層階級二千万人が中流階級に移るという消費市場の活性化が、雇用創出と所得向上に繋がった好循環は〇八年で止まり、〇九年にはそれを期待できないとしている。
 消費の活性化はクレジットにも拍車を掛け、生活扶助金などの社会福祉政策にも役立った。それらが方向転換を迫られそうだ。失業率は現在の七・六%が、八・五%へ。悪くすれば、一〇%にも上りかねない。
 これまで不況など知らなかったCクラスも〇九年は、肌身に感じる。新興中流クラスと呼ばれる世帯で月間平均所得千百八十レアル・クラスの消費は、過去四年間、年三〇%の割合で増加した。〇九年はそれが年三%になる。
 所得と雇用、クレジットの流れが、変わった。失業率が一〇%に達すると、直撃するのは低所得層の青年たちだ。総所得を雇用者数で割った平均所得は、〇八年の七・四%増から〇九年一・五%増に落ちる計算だ。
 毎年二〇%増で上ったローンは、〇九年は七%に留まる見込み。クレジットの後退は、消費の混乱を引き起こす。特に新興中流クラスには、電子製品や自動車の売上激減となって表れる。
 Cクラス消費者の生活スタイルが変わるので、メーカーや商店は販売戦略を変更する必要がある。これまで三年間、過熱市場で潤ったからだ。
 全自動洗濯機購入を夢みていたクラスは、噴流式洗濯機で我慢する。子供の学費が払えなくて、転校を余儀なくされる児童も多い。消費者は全身で、生活の知恵をしぼり出すことになる。