荒ぶる豪雨サンパウロ市を襲う=最大降雨量で浸水45カ所=2時間に月の3分の1も
ニッケイ新聞 2008年12月24日付け
強い雨は一月に降ることが多い南東伯だが、二十一日の夏入りと共に連日の豪雨がサンパウロ市を直撃した。二十二、二十三日伯字紙によると、二十一日はサンパウロ市南部と西部、二十二日は南部と北部中心に被害が出たという。
今年最大量の雨となった二十二日は、一四時からの二時間で六四・八ミリ、三時間では六七・四ミリの雨。月平均の三分の一の雨で、四五カ所の浸水や、交通遮断、停電、倒木なども起きた。
二十二日の南部では、ショッピングセンター四つで停電や陸の孤島化の他、周辺でも急に水位が上がり、近くの駐車場で難を逃れたが暫くは動けなかった人や、車を置いて逃げた人が多数。モルンビーのショッピング近くでは、バスに閉じ込められた乗客が、屋根に登り助けを求めるなど、通常の夏の雨を超えるレベルの被害が出ている。
この状況は、北部でも同じで、水の浸入を食い止めるための扉や塀を設置しても家の中に一メートル以上の水が侵入、高みに寄せた車の窓まで水が上がってエンジンが故障、車のトランクの中の商品も台無しなどの例が報告されている。
サンパウロ市では、危険とみなされている地域で六〇ミリ以上の雨が三日連続で降った場合は退避勧告という基準があるが、今回は、危険とされてなかった地区でも浸水発生。二十二日G1サイトには、雨で流されたゴミが排水溝を詰まらせたのも被害拡大の原因とし、啓蒙キャンペーンや、四三カ所にモニターを設置しての観測実施の話もある。
コンゴーニャス空港の一時閉鎖も連日起きたが、ミナス州や、サンパウロ市、タウバテ、ピンダモニャンガバなどを襲った雨は、早めの夏の雨とのこと。クリスマスを台無しにされた市民にすれば、予防対策こそ前倒しで実施して欲しいところだ。