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リオの車窃盗で人質死亡=掘割転落後も小銃で射撃クリスマスに埋葬の悲劇

ニッケイ新聞 2008年12月27日付け

 二時間前にクリスマスをどう祝うかと話した相手が急死。これは、リオ市北部での車窃盗事件で人質にされた上、警官に射殺された二一歳の兵士の親族に起きた実話だ。
 二十四日G1サイトや二十五日エスタード紙などによると、二十三日午後、二六歳の警備員の乗用車を盗んだ三人組は、会話中だった警備員と兵士を人質に逃走。目撃者の通報で警官が追跡まではよく聞くが、今回の事件では、犯人と警官との間で撃ち合いの後、コントロールを失い掘割に転落した車にも小銃による射撃が加えられた。
 目撃者によると、転落した時点では、車内の五人は何れも生存しており、兵士と警備員の二人は、車内から自分達は被害者だと知らせようとしていたという。これに対し警官は、犯人らは銃器三丁を持っており、五〇発以上撃ってきていたといい、応戦する形で小銃射撃を続けたという。この小銃射撃により、犯人三人と、胸と腕に被弾した兵士は現場で死亡。警備員は、うなじと肩、体幹部に被弾し、病院に運ばれたが死亡した。
 知らせを受けて現場に急行した兵士の父親は、息子の体が車から運び出されるところも見たというが、捜査は当事者である警官所属の銃火器取締り課(Drea)に委任されることになった上、パトカーに残る弾痕は一発にも拘らず、「五〇発以上もの弾を向けられた警官として射殺は正当」と言う市警警部に遺族が態度を硬化。警備員の家族も、州を相手に訴える構えを見せている。
 一方、兵士埋葬の二十五日には、現場検証以前に何者かが車内をかき回してピストルを回収し、掘割の上にいた警官に手渡した様子がテレビ放映され、軍も捜査に乗り出すことになったと二十六日伯字紙やサイト。
 今回の事件は、三歳のジョアン君の家族が乗った車への誤射により、ジョアン君が死亡、母親が負傷した他、ジョアン君の弟も聴覚障害が残った事件や、七月に起きた車乗っ取り犯と共に射殺された男性の事件のように、犯人以外の人が警官によって殺された事件の一つ。リオ市では、麻薬組織摘発の際の流れ弾による死亡を含め、無実の人が巻き込まれる事件が多いが、クリスマスに墓地へ赴くことになった遺族の悲しみは尽きない。

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