ニッケイ新聞 2009年1月6日付け
「若い世代を育てよう」――。サンパウロ総領事館と文協、援協、県連、商議所、日文連の日系五団体による新年祝賀会が一日午前、文協大講堂で開かれ、約四百人が次の百年に向けたコロニアの発展を祈った。
在聖総領事館の西林万寿夫総領事夫妻、丸橋次郎首席領事夫妻、後藤猛領事、JICAサンパウロ支所の千坂平通支所長、国際交流基金の西田和正所長、JETROの佐々木光所長らを始め、日系諸団体の関係者約四百人が出席した。
日伯両国歌斉唱後、西林総領事は、昨年の百周年を振り返り、「〃宴の後〃とならないよう」とコロニアにハッパをかけ、「〇九年は次の百年への始まり」と位置付けた。
帰国するにあたり感謝の辞を述べつつ、「四年前の新年祝賀会でブラジル国歌を覚えると宣言したが、一番しか覚えられなかった」と笑いを誘い、「〇九年のさらなる日伯関係発展を祈りたい」と締めくくった。
文協の上原幸啓会長は、「若い人たちにバトンタッチをし、新しい文協像を諸団体にアピールしたい」と話し、今年の役員改選をにらみ、執行部の刷新を示唆した。
県連の与儀昭雄会長の発声による万歳三唱の後、大ホールに会場を移し、祝賀会を行った。
援協の森口イナシオ会長は、乾杯の音頭で「コロニアは百一年目を迎えた。笠戸丸移民も同じように先行きを心配し、不安に感じただろうが、手を取り合って危機をのり超えてきた」と話し、日本でデカセギの置かれている厳しい状況などにも触れ、コロニアに一層の団結を呼びかけた。
出席者らは、「一月一日」を歌い、お屠蘇を片手に、笑顔で新年の挨拶を交わしていた。
ノーヴァ・バンデイランテ射的協会(ANBA)の山本恒夫会長(74、二世)は、「〇八年は百周年関連で忙しく、体調を崩した。今年は健康第一に過ごしていきたい」と話した。
親戚が日本にデカセギに行っているという樋田登さん(80、茨城)は、「何よりも景気が良くなって欲しいですね」と期待。
六年間、援協友好病院に白衣やシーツを縫製するボランティアを行っているという八十代の女性(島根)は、「世のため人のために今年も頑張りたい」と笑顔を見せていた。