ニッケイ新聞 2009年1月7日付け
池田さんの父が頼りにしていた中野正剛は早稲田大学卒業後、朝日新聞に就職して政治評論で名を馳せ、一九二〇年の総選挙で国会議員に当選。戦時中に独裁色が強まったことに反発して、四二年に母校・早稲田大学大隈講堂において、二時間半にわたり東條英機を弾劾する大演説を行った。「日本は革新せられなければならぬ。日本の巨船は怒涛の中にただよっている。便乗主義者を満載していては危険である。諸君は自己に目覚めよ。天下一人を以て興れ」。この呼びかけに、学生たちは起立して校歌「都の西北」を合唱してこたえたという。当時、学生であった竹下登は、この演説を聴いて感動し政治家の道を志したとの話だ。
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NAKが行うイベントの中で一番古いという「北川親睦歌謡祭」。今年から、今まで二日だったものを一日で行うことに。関係者によれば、「遠くはパラナ、マットグロッソ州から二泊三日で参加する人もいて、経済的にも体力的にも負担だから」というのがその理由。各地から約七百人の出演者が集まる今年は、二つの会場に分かれて同時進行する。うっかり他人の歌声に聞き惚れて、知人、友人の出演を忘れないように注意が必要になりそうだ。
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せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ、これぞ七草―。今日は七日、朝食に七草粥を食べると一年健康に過ごせるといわれる。日本ではスーパーマーケットで七草揃って売られており、年始年末にお屠蘇とご馳走で疲れた胃腸を整えるのにもいい。昨今、寒い日が続くサンパウロ市。雑煮で餅もいいのだが、聞けば、ブラジルでも数種は揃うようだし、七草とはいかないまでも五草、三草粥をすする風流も欲しいところ。