ニッケイ新聞 2009年1月8日付け
政府は六日、八カ月振りに金融危機の暗雲漂う国際金融で、二〇一九年満期の国債十億ドルを売り出し、資金調達に成功と七日付けエスタード紙が報じた。
米国は経済不況の重い空気でひしがれる中、オバマ米新大統領に一縷の望みをかける前向きな空気がある。それが、ブラジルの国債に窓を開いてくれたようだ。
投資家の存在は、地獄で仏に会った気分。ブラジルの発売直後、コロンビアが好条件で国債を売ったが、ブラジルに分があった。
直前にメキシコが、国債を発売したのもよかった。メキシコ債の上乗せ金利は、ブラジルのより僅かよいだけで完売した。これは国際金融に雪解け期が訪れ、ブラジルの露払いとなった。
ブラジル債の発売を仕切ったのは、ゴールドマン・サックスとメリル・リンチの投資銀行であった。ブラジル債に対する印象は、政策が的を射ていると良いらしい。
ブラジル債の発売は、米国の他EUやアジア地域でも行われた。国際金融での国債売れ行き好調の報は、サンパウロ市証券取引所にも入り、株価指数を大きく引き上げた。
ブラジル債は、新興国の債券扱いではないのがよい。国債が道を開いたので、民間企業の資金調達にも便宜が図られるものと思われる。親鳥に続いてひよこも、国際金融に参画できそうだ。
売れ行き好調な国債の波に乗って、ペトロブラスも二百七十億ドルの資金調達に挑戦するらしい。同社は昨年十月、運転資金が不足し、経営に支障を来たした。
同社は目下、仲介してくれる銀行を物色中で打診の段階にある。細部の条件は、まだ決まっていない。融資期限は五年間のつなぎ資金として、先ず四十億ドルを捻出するのが目標となっている。