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守秘開示犯罪=市警が2組織摘発=銀行明細の販売や盗聴で

ニッケイ新聞 2009年1月9日付け

 サンパウロ州市警は七日、盗聴と銀行の取引明細書、資産明細書を販売する二組織を摘発と八日付けフォーリャ紙が報じた。ビジネスは、産業スパイと個人の内偵など。
 被害者の一人が、ジョゼ・アニバル下議(PSDB=社会民主党)だ。組織は同下議が所持する暗証番号を全て解読していた。場合によって違法盗聴は、重大な国家問題にもなりかねないと、組織犯罪取締り課(Deic)が警告した。
 同下議に関する情報購入者がいなかったから、守秘開示は表沙汰にならなかった。この種の犯罪には、電話局と銀行の中に共犯者がいる。共犯者は一件毎に、二百レアルから二千レアルの報酬を受け取っていた。
 多くの被害者は、知らない間に自分の銀行明細や資産明細が第三者へ渡っている。知らない所で、自分の資産が一人歩きをしている。
 Deicは、〇四年から同組織を追跡していた。組織の中で市警や退官中佐など五人が、共犯であることを突き止めた。五人は裁判所の許可書を偽造し、電話局や銀行へデータ提供を申請。組織のメンバーは、市警の盗聴機器やカメラを無断借用していた。
 電話局職員は偽許可書とは知らず、申請に応じ謝礼を受け取っていた。銀行明細も同様だ。逮捕状は組織のメンバー他、多数の電話局職員や銀行員にも出された。
 拘束された同職員や行員の中には、深く考えず要請に応じた初犯が多い。事情聴取に弁護士も立ち会ってから、仮釈放の手続きを行うようだ。当局の許可書真偽の判断は素人には難しい。
 多くの政治家は、自分に関する情報一式を六百レアルで購入するようだ。組織が情報を所有するなら、ライバルの手にも渡っているからだ。情報は捏造されたものも、多分にある。