ニッケイ新聞 2009年1月13日付け
【共同】派遣契約の打ち切りなど不況の直撃を受けた日系ブラジル人の子どもが、経済的理由でブラジル人学校に通えなくなるケースが増えているため、文部科学省は十日までに、子どもが教育を受ける機会を失わないよう、公的施設での学習スペース開設など緊急支援策をまとめる方針を固めた。
子どもを受け入れた公立小中学校には学習や生活をサポートする人材配置も検討する。同様の状況にあるペルー人の子どもも対象とする考えだ。
ブラジルやペルーから来日する外国人労働者は派遣型の雇用形態が中心。昨年秋以降の景気減退で親が失業に追い込まれるなどし、ブラジル人学校やペルー人学校への授業料が払えないという相談は群馬、静岡、愛知、岐阜各県の自治体などに寄せられている。
公立学校編入を希望する声もある一方で、子どもの日本語能力に応じた指導面などで、学校側に受け入れ態勢が整っていない実態がある。
国内にはブラジル人学校は約九十校、ペルー人学校が三校あり、一万人以上が学んでいるが、行政の助成対象となる各種学校の認可を受けているのは計五校。無認可校に対する行政の直接的な助成は関係法令上困難という。