ニッケイ新聞 2009年1月13日付け
「ブラジル生け花の輪を、大輪の花のごとく咲かせたい」――。華道家元池坊華道会ブラジル支部(河村徳子支部長)は九、十両日、『第四十一回新春初生け』をサンパウロ市のレストラン新鳥で開催し、河村支部長は今年の抱負をそう宣言した。
九日夜に行われたイナウグラソンには、天皇陛下の従兄弟にあたる多羅間俊彦氏や野村アウレリオ元市議、武田幸子副領事、同支部の関係者など約八十人が駆けつけ、同支部の創立四十一年と新年を祝って乾杯した。
黄金色の壁を背景にして、三十点余りの師範や生徒らの個性溢れる作品が並び、赤、黄、緑と色鮮やかに存在感を放っていた。
河村支部長は、松や美人草をあしらい、日伯の両国旗をイメージして生けたという。この道五十七年というベテランの腕前で、繊細かつ大胆に表現していた。
また、十代の子供らが生けた三点は、クリスマス、正月、カーニバルをイメージ。遊び心溢れる作品は、見る人の目を楽しませていた。
会場で熱心に鑑賞していた一世の女性は、「池坊らしい清楚なところが素晴らしい。初生けを鑑賞して、新年も心を新たにいこうと思いました」。
小川雅子副支部長は、「初生けで恥ずかしくないようにと、一年間頑張っています」と笑顔で話し、「毎年日本から講師を呼んで、ブラジルの生け花普及にますます力を入れていきます」と意気込みを述べていた。