ニッケイ新聞 2009年1月14日付け
在サンパウロ総領事に十二日付けで着任した大部一秋氏(56、神奈川県)が十三日午後に本紙を訪れ、挨拶を行った。
大部氏は、七五年創価大学経済学部を卒業、同年外務省に入省。中南米二課、国際機構課の首席事務官、在アルゼンチン、オーストラリア大使館で一等書記官を歴任。八〇年代にメキシコ大使館勤務の経験もあり、中南米の事情に詳しい。
経済協力局を経て、在サウジアラビア大使館参事官、在アルゼンチン大使館公使、前任は国際協力機構(JICA)企画部長を務めた。
発令後の昨年末、ブラジル人集住地区である群馬県大泉町、静岡県浜松市のブラジル人学校を訪問、「校長先生の熱心な姿に感銘を受け、こんな心温かな人がいるブラジルに赴任するのを楽しみにしてきた。日本にとっても多文化共生が将来の大きな課題となることを実感した」と話す。
すでにイビラプエラ公園の先没者慰霊碑を参拝、移民史料館を訪れ、「教育に力を入れ、勤勉、努力家であるイメージが定着している。移民の一人一人のお話を聞きたいと思う」とコロニアへの関心を表した。
日伯経済関係においては、「今回の経済危機がどうなるか分からないが、高速鉄道や資源、農業関係においても関心は高い。中長期的な観点からの伸びを期待しており、両国の経済交流振興に向け、出来る限りの協力をしたい」との意向を示した。
座右の銘は「日々是努力」、愛読する小説家は司馬遼太郎。
夫人の栄子さんは東京都出身。