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東西南北

ニッケイ新聞 2009年1月15日付け

 レアルの完全変動相場制移行から一〇年。九四年に一ドル=一レアルで始まり、一ドル=八〇センターボ台となった時もあったが、管理フロートで安定していたレアルの激動は九九年一月の完全変動相場制移行以後。〇二年選挙時の一ドル=四レアル弱を頂点としたドル高は、新政権では一転レアル高。それが〇八年九月以降は再びドル高に直面した。アルゼンチンからの観光客がサンパウロ州海岸に大挙し、イタリアの靴業界がブラジル進出を本格的に検討などの副産物もあるが、株や為替の変動に胃の痛む人も多かった?
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 大サンパウロ市圏では、一人暮らし用住居の需要急増に供給が追いつかないという。〇三年に四八万軒余りだった一人暮らし用住居は一〇年には七一万軒弱に増えるとの予想は、独身者の増加や進学や就職で親元を離れる人など、生活様式の変化を反映する数字だ。一人暮らしを望む人には、家賃が高くても快適な空間を望む人と、家賃が安くてすむ小さなアパートを望む人の二種類があるとも。
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 十三日付フォーリャ紙に、市バス料金値上げを避けるため、カサビサンパウロ市長が新しいバス購入を差し控えるとの記事。同日のJT紙には、〇八年のサンパウロ市では地下鉄の保守作業の遅れが〇六年の三倍以上となり、故障件数も増加とあった。保守作業用の部品や機材が不足の上、かつては日本製やスイス製だった部品が中国製になってから不具合も増えたという。バスも頻繁に故障なんてことにならねば良いが…。
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 南リオ・グランデ州では、六日に死亡した二八歳の男性が二人目の黄熱病患者と確認された。同州では、九日に死亡した男性と十二日に死亡した女性、現在入院中の男性一人についても検査中。