ニッケイ新聞 2009年1月21日付け
ナポリターノ伊大統領からバチスチ容疑者の亡命容認見直しを依頼されたルーラ大統領は十九日、正式に回答の意向を表明したと二十日付けエスタード紙が報じた。
金融危機で解雇の嵐が荒れ狂う労働市場と上院議長の選出で混乱する中、ルーラ大統領にとって決定済みの件で煩わされるのは、甚だ迷惑な話と側近らは訴えた。
正式回答はするものの日時は未定。大統領府のバウンバッハ報道官は、「政府の亡命容認決定は、国家主権の問題である」とする文書を受け取るだけと述べた。
イタリアでは伊大統領に続いてフィニ下院議長が、キナリア下院議長に「法相判断を拒絶」とする文書を送ってきた。伯伊両国の間には、金融詐欺事件でイタリアへ逃亡したカチオラ容疑者の身柄引渡し拒否も、未解決のままとなっている。