移動交番の8割警官不在=パウリスタ周辺に不安の声=雑役夫は毎日組み立てるが
ニッケイ新聞 2009年1月23日付け
二十二日付アゴーラ紙の第一面を飾った三枚続きの写真が道行く人の目を引いた。問題の写真は、アウグスタの移動交番が毎朝、指定の場所まで運ばれ、組み立てられる様子を写したもの。
この光景は少なくとも一年は続いているというが、交番の世話係で、雑役夫のフランシスコ・メデイロス・ネットさんの日課は以下のようだ。
朝六時、アウグスタ・ショップスのシャッターの奥から顔を出すのは、フランシスコさんと、車輪付きで組立式の交番。フランシスコさんは、この交番をアウグスタ通りとルイス・コエーリョ通りの角まで運び、人が入れるよう組み立てる。夕方になるとまたこの逆の作業を繰返すのだが、問題は、フランシスコさんが日々運ぶ交番がほとんど終日無人であること。
フランシスコさんの言うには、以前ほど頻繁ではないにしろ、警官は顔を出しているとのことだが、取材当日の二十一日には、警官の姿は見かけなかったと言う。
同日のパウリスタ地区では、二八の交番の内、二二が無人。市内全域が同じ状態ではないだろうが、地区担当の警察は、交番に誰も居ないということは、近くを巡回中か、どこかの応援に派遣されたということだと説明。これに対し、周辺の商店などは、「本当に交番が機能していたら、この辺りの犯罪はもっと減っているはず」だと、苦情の声。
セット価格七〇〇〇レアルという、ガラス繊維製の移動交番セットは軽く、作業は簡単と言うフランシスコさん。壊されては困るということで毎日出し入れしているとのことだが、肝心の警官は、飲酒運転禁止法の取締りや海岸部などの応援に駆り出されて市内勤務者が減っており、三月頃までは無人や不在の交番が多いのだともいう。
十三日午後に強盗の被害にあった店は、フランシスコさんが運ぶ交番から一〇メートル。銃器を持った男性一人の犯罪だったと言う店主は、交番に人を配置しても、交番そのものに駐在することは少なく、スリや強盗などの被害も頻繁に起きているという。
二〇〇二年から市内各地に置かれ、高い評価を得ていた交番が有名無実のものになりかねない現実に、周辺住民の懸念の声が聞こえてきている。