ニッケイ新聞 2009年1月23日付け
茶道裏千家ブラジルセンター(林宗慶代表)の「初釜」と新年会が十八日午前十一時から、サンパウロ市のホテル・インターコンチネンタルで開催された。今年創立五十五周年を迎える同センター。当日は、着任したばかりの大部一秋在聖総領事夫妻も出席、約二百二十人が集い、日本移民百一周年の幕開けを祝った。
昨年は百周年の記念事業として約三百人が訪れた同センターの初釜。今年はほぼ例年通りの二百二十人が参加し、会場に設けられた茶席で点てられた抹茶の味を楽しんだ。
続いて正午から新年会へ。最初にあいさつした林代表は、昨年の百周年について「全力を尽してきた」と振り返り、「この国で日本文化の価値観と日本人の存在感がいかに偉大であるかを、あらためて認識いたしました」と述べた。
ブラジル日本文化福祉協会の上原幸啓会長は、「これから大切なのは、二百周年記念に向けて新たな一歩を踏み出すこと」とあいさつ。さらに「これからは文化の大切さを見直さなければならない」として、「茶道は、華道とともに日本を代表する文化」と強調した。
今月十二日に着任した大部総領事はスペイン語なまりのポ語であいさつし、「日本で由緒ある裏千家は、日伯文化交流のために大切な役割を果たしている」と述べた。
その後は、エリソン・トンプソン・デ・リマ・ジュニオール副代表が昨年度の事業を報告した。
同センターでは、リオ「日本展」への参加や、記念の本出版など様々な事業を行なったほか、多くの学校で茶道を披露するなど幅広く活動。事業の収益から赤十字に寄付も行なった。同副代表はイベントの後援企業などにも感謝を表した。
会食後は福引や、手品師セリオ・アマノ氏のショーなども行なわれ、盛り上がった。
今年五十五周年を迎える同センター。現在の生徒のうち、二割は非日系の生徒だという。
林代表は、「今年はロンドリーナ、クリチーバ、モジ・ダス・クルーゼスなどの日系団体にも普及を進めたい」と話し、さらに、「『わび』や『さび』について覚えられる生徒は少ないので、このテーマを多くの生徒に伝えたいです」と目標を語った。