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雇用対策=BNDESに1000億レアルを投入=解雇攻勢に歯止め=基幹整備等にてこ入れ=違反に銀行取引停止の罰則

ニッケイ新聞 2009年1月24日付け

 マンテガ財務相は二十二日、エネルギーや社会基盤(インフラ)整備に取り組む民間企業へ融資するため、国税庁が社会開発銀行(BNDES)に一千億レアルを投入する意向を表明と二十三日付けエスタード紙が報じた。資金投入は金融危機で生じた流通量不足を補い、PAC(経済活性化計画)のてこ入れを行う。同資金投入で、〇九年と一〇年における民間企業の生産部門は資金難から救われ、悲観的景況感も鎮まると見ている。
 相次ぐ解雇で悲観的空気に包まれる産業界に対し、政府はエネルギーとインフラに取り組む民間企業のてこ入れを行い、雇用創出に努める考えだ。金融危機の影響を防ぐため、政府は運転資金の捻出に全力を尽くす。
 〇九年に必要な融資金の確保が、ポイントだ。BNDESは、一千億レアルで〇九年と一〇年中頃までの資金供給が可能という。最近は首切りばかりで、増産と発展のニュースがない。
 雇用創出は、投資と融資の裏付けがないと掛け声だけになる。雇用即投資。銀行の資金力が金融危機対策だ。PACの付録だが、非熟練労働者の就業促進と失業者対策には建設部門も重要だ。
 政府は国立銀行への資金投入と同時に、雇用創出義務も負わせる考え。銀行活動と雇用数のかみ合わせ法を、財務相が検討中。国税庁の給付金は、雇用創出というヒモ付きにする。融資を申請するときは、何人を雇用するか約束させる。
 民間企業も同様に、融資を受けても雇用がないなら、罰金を課す。その罰金の計算法を考案中だ。これまでに従業員を解雇した企業は、原則として融資の道が閉ざされるようにする。
 解雇は「禁断の果実」。従業員を解雇した企業は「エデンの園」から追い出される。BNDESの企業台帳には、見出しに解雇の有無が記録される。解雇した企業は、融資対象から外される。
 銀行の融資条件には、雇用と解雇の状況を現場検証で明記する。銀行も労裁のように企業訪問で解雇事実を調べ、約束の履行を確認するらしい。これが、マンテガ財務相の雇用対策のようだ。
 ルッピ労相は、労働省と労組、企業の三者で、FAT(労働者支援基金)とFGTS(勤務年限基金)から融資を受けた企業の監視を提案。約束を破った企業は、村八分にする労相の考えだ。