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オポチュニティ銀行=連警、20億ドルを封鎖=国外の資金洗浄網を摘発

ニッケイ新聞 2009年1月24日付け

 ジェンロ法相は二十二日、ブラジルの犯罪史上では最大の国外違法預金二十億ドル(四十五億レアル)を封鎖と発表したことを二十三日付けエスタード紙が報じた。
 国外違法預金の捜索は、連邦警察のサチアグラハ作戦によって判明したもので、資金の出所は違法行為により入手した資金だ。このうち五億ドルは、米当局の協力で判明。その他は、英国やカリブ海のタックス・ヘイブンにあった。
 封鎖預金の多くは、オポチュニティ銀行投資ファンドの資金であった。同銀行頭取のダンタス容疑者は七月、拘束されるまで汚職や公金横領、政府高官の職権乱用で得た資金を洗浄し、国外へ違法送金を行うグループを指揮した。
 トゥーマ法務次官は、サチアグラハ作戦は第二段階へ入ると発表。封鎖預金の入金ごとに、公金とその他違法資産に仕分ける。不正送金の背後にある不法行為のタイプを類別し、それに関与した政府官庁とその内通者や共犯者を洗い出す。
 公金は殆ど一〇〇%回収できるが、タックス・ヘイブンに渡った違法資産の回収は難しい。サンパウロ州検察局の見方では、発覚した不正資金は、氷山の一角と見ている。
 ダンタス容疑者の弁護士は、全ての告発が根拠も証拠もなく事実無根であると否定した。犯罪学では足跡の消し方が基本で、その研究は日進月歩で進んでいる。
 検察庁は、ニューヨークが資金洗浄の拠点になっており、ここで全ての足跡が消え、〃洗浄〃される仕組みになっているという。ブラジルまたは第三国経由で米国へ送金された資金は翌日から、出所との関係が清算されてしまうようだ。
 検察庁は、オポチュニティ銀行を政府機構の中に張り巡らされた汚職と公金横領のろ紙(フィルター)と見ている。政治家はこのろ紙を使って違法資金を洗い、政治資金を調達しているようだ。