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スプレッド金利=銀行は儲け過ぎる=貸越特別小切手は要注意

ニッケイ新聞 2009年1月29日付け

 政府の金融危機対策でIOF(金融税)減税や強制積立金の減額など市場金利の引き下げ努力に関わらず、銀行は益々スプレッド(利ざや)金利で営業益を計上。銀行は金利引き下げを行わず社内留保に徹している、と中央銀行が二十七日に明かしたことを二十八日付けエスタード紙が報じた。
 銀行はクレジット供与に際し、スプレッド金利を引き上げ、政府一連の金利引き下げ努力を空しいものにした。中銀発表によれば、八月の銀行利ざやは平均三〇・六%。昨年十一月は三〇・一%で、さらに下がった。
 スプレッドとは、銀行が調達した資金の金利と銀行顧客へ融資する金利の差をいう。これが高金利の元凶であると、中銀が指摘していたもの。金融市場で徴収されている金利で見るなら、政府の引き下げ努力は全く無視されている。
 中銀調査によれば、銀行が調達する資金の金利は十一月、一三・九%であった。十二月は、一二・六%へ下がった。しかし、顧客が支払う金利には反映されない。金利の低下分を、銀行利益として着服したのだ。
 スプレッド金利は、主に個人の銀行取引に課される。昨年十一月のスプレッド金利は、平均年利四三・一%であった。それが十二月は、四五・一%へ上がった。銀行がその間、調達した個人向け融資の金利は、二・二%下がった。このうち二%は銀行が着服し、顧客へ反映しなかった。
 銀行がスプレッドでボロ儲けをするのは、個人向け貸越許容の特別小切手で一六二・五%にもなる。次いで耐久消費財。金利引き下げで政府は、国立銀行を指導した。次は、民間銀行と政府の金利引き下げへの腕相撲がしばらく続く。
 全国銀行協会(Febraban)は、政府に協力してスプレッド金利の低い銀行を公表する。それで駄目なら、国立銀行と民間銀行のスプレッド金利を公表し、顧客に比較させる考えだ。

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