ニッケイ新聞 2009年1月30日付け
アルゼンチンの穀倉地帯パンパ(草原地帯)が干ばつで砂漠化、農産物は八〇%の被害を被り、過去五十年で最低水準にあると二十五日付けヴァロール紙が報じた。
例年なら同国の穀物生産は一億トンを予想されるが、今年は七千八百万トンに落ち込んだ。同国の輸出は、五八%が農産物と一次産品だ。
これまで抱負な農産物を産出した肥沃なパンパは、干ばつのためにブラジルのセルトン(荒野)のように、地割れと家畜の死骸が散在している。
亜国立農事試験場は、異常現象の干ばつについて、将来の見通しが立たないという。同国は〇八年上半期、国内の経済混乱で農業生産は休止。同年下半期は、金融危機の影響でコモディティの暴落。そして〇九年は干ばつと御難続き。
同国はパンパばかりでなく、国全体が降雨不足で悩んでいる。生産者はまだ、同国を世界有数の穀物生産国と信じているが、気候の変化で世界の食糧事情に異変が起きつつあるとも感じている。