ニッケイ新聞 2009年1月30日付け
福祉センターの事務所設置場所として借地している賃貸料を、今月中旬まで一度も請求してこなかった池崎博文氏。援協側はやっと届いた請求五カ月分、計二万五千レアルを即座に振り込んだ。「うやむやな状況に手を打ててよかった」と関係者からの安堵の声もあったが、請求が来ないことから、事実上の無償奉仕と解釈していた役員も。福祉精神を求めるのもいいが、コロニアきっての商売上手にそれは早合点が過ぎた!?
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日本の航空会社「ジェイ・エア」(西川建人社長)が導入したブラジル製小型ジェット旅客機「エンブラエル170」が二月一日から、名古屋、福岡、松山間を就航する。それに先駆け、記念招待フライトが今月二十七日にあり、百二十七人がブラジルの翼で空の旅を楽しんだ。読売新聞サイトなど各紙が報じた。西川社長はセレモニーで、「エンブラエルは大型機並みの乗り心地、機能を備えた最新鋭機」と自信の説明を行ったようだ。不況や犯罪など気の滅入るニュースが多いなか、日伯経済交流の明るい話題。
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G1サイト二十九日付け記事によれば、日本でも人気の高いグレイシー柔術の創始者、エリオ・グレイシー柔術十段が二十九日朝、白血病による多臓器不全により、リオ州ペトロポリスのポルトゲーザ病院で亡くなり、同日午後、市営墓地に埋葬された。父ガスタンは、講道館黎明期の男子柔道家で有名なコンデ・コマ(前田光世)に依頼して、兄カルロスやエリオを含む五人に柔道の技と精神を伝授。その後、兄弟がグレイシー柔術体系を築き、日本を含め世界に普及していた。エリオは九十歳を過ぎても道着を着て道場に現れ、稽古、指導していたという。日本のファンからもその死を惜しむ声が聞こえそうだ。