ニッケイ新聞 2009年1月31日付け
景気悪化にともない失職や子弟の就学困難などの問題に直面している在日定住外国人を支援するため、日本政府が対策をまとめた。NHKはじめ東京、産経、毎日新聞など各メディアが報じている。
支援策は、昨年末の麻生太郎首相の指示を受けてまとめられたもの。三十日に行なわれた閣僚懇談会で、支援策取りまとめにあたった小渕優子少子化担当大臣、塩谷立文部科学大臣から報告された。
教育に関しては、公立校に転入してくるブラジル、ペルー人などの外国人子弟に対して、日本の学校生活への適応指導や日本語学習支援を行なうほか、保護者に自治体の援助策を広報。転入前の子供たちに日本語や習慣などを教える場をつくることなども挙げられている。
NHKではまた、自治体が独自に行なう日本語指導や健康診断の費用を特別交付税で国が支援すると報じている。
雇用面では、集住地域のハローワークに通訳・相談員を設置する。
産経新聞によれば、解雇等にともない住居を失う問題に対して、入居先として公営の賃貸住宅を活用するほか、滞納家賃の債務保証のため国が基金をつくって支援するという。また、帰国希望者のため、本国政府や産業界、航空業界に支援を要請するとしている。
NHKによれば、麻生首相は三十日の閣僚懇談会で、「定住外国人の問題は各省庁にまたがるものなので、それぞれの省庁が提携して、しっかり取組んでもらいたい」と述べた。