ニッケイ新聞 2009年2月3日付け
経済不況を克服するために政府が打ち出したPAC(経済活性化計画)の進行状況をエスタード紙が調べたところ、国民の期待に応えるには程遠いことが判明と一日付けエスタード紙が報じた。
エスタード紙は、港湾や道路、鉄道、空港、電力、送電、輸送機器など、七十五の主要プロジェクトの〇八年一月時点の工事進行報告書を調べたところ、六二%は延滞していた。
二年目で工事が頓挫した理由は、手続き上の不備と環境問題、思想的な行き違い、資金調達の手違いなどの理由による。プロジェクトの多くは、入札待ちで数カ月も棚で埃をかぶっている。
別のプロジェクトは、裁決待ちで無期限に放置されている。資金充当が時宜を得ないため接収手続きが暇取り、実現が危ぶまれるものもある。
最も計画が遅れているのは、港湾整備。工事予定地の底掘り下げ工事の入札は、殆ど無期限延期。サントス港の場合、〇八年一月公示が同年八月まで放置された。
業者は浚渫工事の入札願書を提出したが、書類不備で返却され終わり。港湾最後の工事経過報告書は、〇八年十月までの点検予定であったが、現在まで何もしてない。
PAC予算は十八億九千五百万レアル残っているのに使われず、国庫に眠っていると資金管理局(Siafi)がいう。管轄当局の怠慢か無能な管理職の任命が、PAC遅延の理由だとSiafiはいう。折角用意した資金が使われないなら、財政黒字か国債の配当に流用されるだけだ。
PACの現状は、ロバのように動じない。PACは、国民がブラジル発展のために期待するもの。投資を呼び込む材料であるが、工事現場にそんな迫力は伺えない。PACの母に見捨てられた孤児は、どうなるのか。