ニッケイ新聞 2009年2月4日付け
ほとんど戦争…。サンパウロ市南部のファヴェーラ・パライゾポリスでは二日夜、角材や銃器、石などを手にした住民が二五〇人の警官隊と激突し、久々の大抗争に。麻薬密売者の男性が一日午後の軍警との抗争で死亡したことなどが原因というが、車やタイヤを焼き、バリケード設置などほとんど戦争状態。仕事帰りに自宅まで行き着けない住民も多数出た。六時間にわたる抗争で警官三人と住民一人の負傷で済んだのは不幸中の幸いだが、警官隊によるパトロールは三日も続き、地域の保育園や学校は休校に。リオ市北部では先日、麻薬密売組織リーダーのピットブルらが警官隊との抗争で死亡したことでバス数台の焼き討ち事件なども起きたが、サンパウロ市も人事ではない。
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空の事故増加傾向のブラジルだが、一月三十一日~一日も三件の飛行機事故が報告された。三十一日はサンパウロ州カンピーナスで単発機が墜落し、七二歳のパイロット死亡。一方、一日にサンパウロ州アウヴァレス・マシャドの畑地に墜落して心停止、病院に運ばれたが助からなかったのは三七歳男性。また、サンパウロ州プレシデンテ・エピターシオ市元市長も、一日のマット・グロッソ州アントニオ・レヴェルジェルでの単発機事故で死亡。妻とパイロットは助かったというが、三件とも事故原因は調査中。
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南大河州の雨は一息ついたが、今回の雨による死者は一四人。ミナス州では強い雨が戻り、警報発令中の自治体も増えた。サンパウロ市では、一九九六年以来最も雨の多い一月で、平均降水量を三八%上回ったという。大雨のたびに洪水に泣くサンパウロ市での不法投棄のゴミや瓦礫は一日三千トンにもなり、ゴミの投捨ても水害をひどくしているとの再警告も出されている。