バチスチ亡命容認=EUが見直し決議=伯伊が伯EUにすり替わる
ニッケイ新聞 2009年2月7日付け
EU(欧州連合)議会は五日、バチスチ容疑者の亡命容認見直しをブラジル政府へ要請することを決議と六日付けフォーリャ紙が報じた。ジェンロ法相の身柄引渡し拒否は、伯EUの外交関係に不信感をもたらすと解釈される可能性をEU議会が表明した。
EU議会への上程は、イタリア議会の中間右派議員四人によって行われた。表決の結果、賛成四十六票対反対八票で可決。EU議会は七百八十五人の議員がいるが、僅か五十四人の出席によって決定された。
伊議会はブラジル最高裁へ、伊裁判所の判決書にEU議会の決議書を添付して、再考慮を促す要請を行った。バチスチ容疑者は伊裁判所の判決に対し、立件は寝返った同志が捏造した証拠物件によるえん罪だとして罪状否認をしている。
大統領府と外務省は伊政府の動きを緩和するため、同容疑者に対する裁判の見直しを行うか、伯政府に対する外交関係への影響かを検討している。当面の伊政府要請は、紳士的といえる。
問題はいつの間にか、伯伊から伯EUへすり替えられた。さらに、行政問題ではなく、司法問題へ巧妙に移行させ、伊政府のペースへ誘導しているとアモリン外相が見ている。
EU議会での同件扱いは、ぬるま湯の中でブラジルをおだてながら、最高裁判断を優先する裁決であったと、駐EU伯大使が報告した。EU議会の要請は、最高裁判断が民主主義の基本法と合憲性に基づくことを期待するというもの。
最高裁本法廷は三月、結論を出す考えだ。EU議会は二十七カ国の代表で構成され、五八%は右派閣僚だから治安と外交、法務を重視する。
EU外交に詳しい外務省筋によれば、EUは友好関係のある国への刑事訴訟を別扱いにするという。イタリア政府の真意は、面子の問題だというのだ。