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世界貿易機関=悲願「保護排除」に挑戦=ブラジルに乗り遅れの警告も
ニッケイ新聞 2009年2月10日付け
ブラジル外務省は七日、先進国で打ち出した金融危機対策法案が、G20サミットで禁じられた保護主義に抵触しないかでWTO(世界貿易機関)の監督を補助する専門外交官チームを組織したと九日付けジアリオ・デ・コメルシオ紙が報じた。
WTOは九日、ジュネーヴで金融危機と国際貿易への影響を協議する。大統領府の懸念では、世界は経済危機克服のため保護主義と国家主義の傾向を強め、事態は悪化したと見ている。
先進国は自国産業保護のため、大型予算を組んだ。しかし、新興国は関税率の引き上げ位の対抗策しか持たない。先進国の産業保護は工業部門に留まらず、WTOで禁止済みの綿栽培など農産物への驚異的保護政策を取ろうとしている。
米仏両国は従来の農業補助金に加え、輸入代替に自国産優先を打ち出した。外務省は、先進国の保護主義が世界的傾向として定着すると、金融危機の回復は著しく妨げられると糾弾した。
WTOによる保護貿易牽制の一方で、ルーラ大統領は三月十六日、オバマ米大統領とニューヨークで先に承認した金融危機対策法について話し合う。その二週間後、大統領はG20で保護貿易反対とドーハ・ラウンドの再開を求める演説を行う予定となっている。
ブラジル政府が世界から報復を受けるとも、保護主義の排除を全てに優先する姿勢を貫くことを、WTOは懸念している。
WTOは従来タイプの保護制度は排除できるが、新しいタイプの保護制度が関税障壁よりも市場を歪め資金力にものをいわせ、ブラジルを袋小路に追い込むという。
国際経済の冷え込みにより、ブラジルはグローバル経済での恩恵を受け損ない、経済政策の見直しを余儀なくされることになるというのだ。