ニッケイ新聞 2009年2月10日付け
私立大学の医学部の卒業式に出掛ける機会があった。しかも第一期生ときたので、それはもう特別だろう。
式は大学の講堂で行なわれた。客席はほぼ満員。激しい音楽が鳴り響く中、卒業生は一人ずつ博士帽を被り、客席から歌手かモデルかと言わんばかりに颯爽と登場。会場の様子も大きなスクリーンに映し出され、何もかもが派手である。国歌さえも専属の歌手が歌うので驚いた。
挨拶で学部長が涙を流し、最後は客席の両親に学生から花束贈呈と、形式張った日本のものとは違い温かいものだった。
聞けば入学当初から積み立てを行なって費用を捻出しているとのこと。息子が渡したとはいえ、大学が用意した花束は納める物を納めた両親への、大学からのねぎらいだったのだろう。(綾)