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自治体福祉キャンペーン=「マスコミは小心翼々」=政治力の票集め時代は終焉

ニッケイ新聞 2009年2月12日付け

 ルーラ大統領は十日、約三千五百人の市長を招き、ロウセフ官房長官が指揮を採ることで大統領選へつなげる地方自治体の社会福祉キャンペーンを開幕、「マスコミは、小心翼々(気が小さい)としている」と報道関係者を酷評する辞を述べたと十一日付けエスタード紙が報じた。
 地方自治体の社会保障院引当金の負担を軽減することで、資金を社会福祉に回すという政府の善意だと、ブラジリアのコンベンション・センターで強調した。大統領は新聞を読まないという。読むと、「苦いレモネードの汗が出る」らしい。
 市長とのキャンペーンは、以前から計画していた。それが偶々、官房長官の選挙キャンペーンと時期が一致したためマスコミの攻撃材料にされたと大統領はいう。
 PAC(経済活性化計画)は、金融危機のために多少の遅れはあった。市長は管轄地域内のPAC工事を二部制にして、より多くの雇用を創出し短期間に工事を竣工するように呼びかけた。
 これを、マスコミから政治運動が化けた社会福祉と批判される中、「報道の自由が許されているから、私は大統領になれた」という先の発言を訂正して「私が大統領になれたのは、マスコミのお陰ではない。私が憎しみや偏見と戦ったから、大統領になれたのだ」と市長らに訴えた。
 社会福祉キャンペーンは、市長を官房長官の選挙運動員に駆り立てる政治戦略だとするマスコミ報道を、誤解だと大統領が激しく非難した。「国民は、操り人形でも家畜の群れでもない。マスコミは、国民が自分の頭で考え判断することを知らない」と反発した。
 誰かの政治力や説得力で国民の支持を取り付け、票が集まり当選できるような時代は、はるか以前に終わったとマスコミに八つ当たりをした。

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