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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年2月12日付け

 九日のインターネットで「エルアナさん死亡」の報が流れ、古くて新しい問題の再燃を実感させられた。
 問題の女性は、二十歳の時の事故以来、十七年目覚めることのないまま入院。いわゆる植物人間となった彼女の安楽死、尊厳死を願った父親は十年間法廷で争い、一月にミラン法廷の許可判決を得、二日に転院。その最期は点滴などを外して三日後に現実化した。
 ミラン法廷判決後の世論の高まりはイタリアばかりではないが、再び目を開くこともなく外観も変わり果てた娘を見守り続けた家族や、父親に肝臓を提供したくて自殺未遂の中国人少女の話を考える時、彼らを責められない自分がそこに居る。
 最後まで娘に語りかけていたという父親が今後も矢面にたたされることは避け難いだろうが、娘の後を追わず、強く生きて、と願うのは第三者のエゴだろうか。 (み)