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自治体福祉キャンペーン=後継示唆は選挙違反=前大統領がルーラに警告

ニッケイ新聞 2009年2月13日付け

 カルドーゾ前大統領は十一日、ルーラ大統領の地方自治体における社会福祉キャンペーンは、明らかに次期大統領選に向けた選挙運動であり、選挙法に違反するものだと「麻薬と民主主義」ラテン・アメリカ会議の席上で訴えたことを十二日付けジアリオ・デ・コメルシオ紙が報じた。
 前大統領の告発によれば、十分の演説の中で選挙法に抵触する言葉が四回発せられたと糾弾。一方、対抗馬と見られるPSDB(民主社会党)は、サンパウロ州対ミナス州の指名争いで、党員はどっちに凱歌が上がるのか、分からない状態にある。
 その弱みにつけ込んで官房長官を後継候補として売り込み、先手を取る考えだ。PSDBに公認指名を急がせ、党内情勢が熟さず、態勢の整わないまま選挙戦へ引きずり込む戦略だ。それは明らかに違法行為と訴えた。
 PSDBは、考える時間と事の成り行きが熟す時間が必要である。公認候補は遺恨を残さず自然に決めるのが、前大統領の役目だという。
 ルーラ大統領は名指しをしなかったが「ブラジルで最も豊かな州に、全伯の文盲の一〇%がいる。これは州政の何かが、間違っているからだ」と批判した。尻馬に乗るカサビ市長は、思わぬ所で道連れにされると皮肉った。
 前大統領は「これではいいたい放題、やりたい放題だから、選挙裁判所に訴える」と警告した。ルーラ大統領は前大統領の告発で、マスコミにも一理あることを認めた。
 大統領はマスコミに対するうっ積は、市長らにぶつけたことで晴れたと述懐した。これから官房長官は〇九年中、大統領選をしばらく忘れ、金融危機対策に専念するよう命じた。PSDBがうるさいから、演台は大統領だけが立つ。二人で並び立つのは避けると、大統領が指示した。